わたしがまだ若かった頃は思いもしなかったが、最近、色々考えてしまう。
昔なら「人生50年」、既に期限切れの歳を迎えて、経年変化による体力の低下、細かい文字も見えなくなっている。
流石に50年以上生きてきただけあって、押入などの収納場所は満杯。さて、この荷物をどうしようと考えてしまう。
このままだと没後整理の人たちに迷惑をかけることは明らかである。
わたしの終の棲家は、多分賃貸物件。ならば荷物のために大きな物件を探すのではなく、より狭いところに住まう。当然、不要なものを切り捨て、身軽になっていく。男の一人暮らし、4畳半で寝て、6畳間で仕事と食事ができればそれでいい。
わたしたちが年金受給年齢に達する頃には、男女とも一人暮らしが増えていることだろう。自己完結できるように便利なところに住みたい。
海を眺めながら片手に缶ビールで最期を迎えるのは夢で終わってしまうのかもしれない。
written by Yoshinobu Iriguchi