先日、いつものようにスーパーで水を貰っている時。わたしが機械にボトルをセットして離れた直後、70代後半らしい男性が来て、わたしの横の機械から満水になったボトルを取り出そうとしていた女性に向かって「ちゃんと入口と出口を守れよ」と呟いた。女性は「何なのこのオッサン」的な顔で去った。
わたしのボトルが満水になったとき、そのオッサンの前を通って出口側から機械に近づいて回収した。彼はわたしに何も言わなかった。いい歳して金髪に近い(茶髪ではなく金色)わたしはヤバいオッサンに見えたのかもしれない。下手なこと言うと因縁をつけられるとでも思ったのだろうか。
歳を重ねると頑固になると言われる。それまでの人生で様々な事象を経験して学習しているのだろうが、必ずしもそれが世間一般の常識と一致しているとは言えないこともある。本人にとっては「俺が法律だ」的な考えに支配され、その物差しに合致しないものは間違いだとしているのだろう。他人に助言されることを嫌うことが「頑固者」と思われる要因の一つ。
スーパーからの帰り道、甲子園出場の高校生たちを「罵倒」した滋賀県議のことを思い出した。
「駐車禁止場所に車両を駐車してはいけない」と道交法で決められている。
だから、そこにとまっているバスを見た瞬間に注意したのだろう。しかし、実際にはこのバスの駐車は役所の担当者から指示されたもので、運転手をはじめ高校生や関係者は「なんだこのオッサン」と思ったに違いない。
確かに、大型バスが止まっていればその威圧感から邪魔だと思うのは仕方ない。自分の正義感よりも、感情が先走ったのではないか。駐車行為には関係のない「こんなことをしていたら一回戦で負けるぞ(本人の主張)」発言をしたことが何よりの証拠だ。わたしはこの県議に「実る程首を垂れる稲穂かな」と送りたい。そして暴言を吐いて不愉快な思いをさせた高校生たちに謝罪してほしい。
「わたしが法律だ」などと自我を押し通すよりも、歳を重ねたからこそ、周りの意見に耳を傾け、ニュートラルな心でいたいものである。
written by Yoshinobu Iriguchi