生後16日の赤ちゃんが、ゲームがしたいからなどとほざく理不尽な親によって殺されてしまった。わたし自身、立派な親でもないが、少なくとも煩いからと命を絶つことなど考えたこともない。
生物学的には、若いうちの子作りはいいらしい。17歳の母親、父親は23、多分、彼らの友達が自由に遊びまわっているときに、赤ん坊の世話をしなければならないとなればイライラするかもしれない。だったら、どうして生む決心をしたの?。堕胎の時期を逸してどうしようもなかったの?。
彼らの周りには、誰も見守ってくれる人がいなかったのだろうか。祖母と称する人がインタビューに応えていたが、可愛がっていたようだと話していた。ならば、彼らの親は何もしなかったのか。17歳の母親の場合は、自分の家族から勘当も含めて見放された可能性もありえるだろうが、23歳父親の親はどうだったのか。
生後16日の小さな身体を、ゴミ箱に押し入れ、その上からもう一つ被せるとは尋常ではない。おそらく泣き声を遠ざけたかったのだろうが、普通の心理状態ではなかったに違いない。
その後に行方不明になっていたのは現実から逃避したかったのだろう。一つの幼い命を奪ってしまった負い目も感じていたのか、それとも自分たちに課される刑罰を恐れたのか。どちらにしても彼ら二人の心には、一生忘れられないこととして残るだろう。そしてそれを背負いながらも強く生きて行って欲しい。失われてしまった命は取り返せないけど、その子の分も一生懸命生きてほしいと思う。
written by Yoshinobu Iriguchi