一型糖尿病の男の子が「殺された」。インスリンの投与が必須なのに、両親はアヤシイ「祈祷師」に傾倒して放置した。保護責任者遺棄致死じゃなくて、明らかに共謀殺人だと思う。

根治できない病であるなら、対症療法で生命を維持するしかない。死神が腹にいるからと訳の分からないことを言われて、それに従う親の無知に驚かされる。

日本の教育に足りないのは、過程を教えないということ。

原因がA、結果がZだとする。

AによってBが起こる、BによってCが起こる、と同じようにZまで続く。

AだからZなんだと「丸暗記させる」から過程を考えられない人間が増える。この逆は絶対に追えない、過程を知らないから原因の追究ができない。とりあえず丸暗記させておけば「マークシート」での解答はできる。そして応用の利かない人ばかりになる。

わたしは記憶力が弱いのか、丸暗記がとても苦手だった。歴史の年号を覚えるのは苦痛でしかなかった。でも、その中で、こういう事件が起こった、この原因はこういう人たちのこんな言動によって、と背景から教えて貰ったことだけは忘れないでいる。これがまさにA to Zの理論である。

頭が痛くなったとき、その原因は熱なのか、熱が出てるとすればその原因は何なのか。順を追って考えていけば根源が分かる。

親の無知でこれ以上、幼い命が失われませんように。不幸にして亡くなってしまった男の子の魂が安らかならんことを祈って。

written by Yoshinobu Iriguchi