最近のテレビ報道が偏向的だと思うのはわたしだけだろうか。いかにも視聴者が飛びつきそうな芸能人の不倫や薬物問題ばかりを多くの時間を割いて垂れ流す。

どうして、もっと大切なことが報道されないのか。

例えば、公金を不正に私物化する政治家、わたし達の将来がかかっている年金問題、東京オリンピックの費用問題など、報道する対象は多く、24時間すべてを報道番組として編成しても足りない位である。

民放局はスポンサーとの絡みもあり、ある程度偏向するのは仕方ないとして、国営放送とも言える、視聴者から視聴料金を徴収する局にあっても、まるで御用放送の体である。

先の大戦中、大本営は虚偽の戦果と洗脳を目的とした情報を流し続けた。受像機のない時代、ラジオから流される言葉は、より深く聴取者に届けられたことだろう。それに異を唱えれば投獄された時代、わたしのように思ったままを綴る者は真っ先に連行されていただろう。

今、まさにその時代に戻りつつあると感じる。

情報操作されたとしか思えない現政権の支持率が実(まこと)しやかに報じられ、権力者にとって都合の悪い情報は隠蔽される。

所轄官庁である総務省は「停波」という最終兵器をかざし、本当のことを伝えようとする報道機関を威嚇する。それに萎縮する各局は当たりさわりのないネタを、あたかも大ごとのように喋り続ける。そんな状況に於いて、少しでも権力者に都合の悪いことを述べた者は瞬時に更迭される。

この国では「言論の自由」と「表現の自由」は担保されないのか。

それは憲法で保障されたことではないのか。

わたし達はおとなしく飼いならされた羊ではない。

ここまで報道がダメ駄目になったのは、わたし達の責任もある。

テレビの言うことは正しいと思う日本人が異様に多い。自分の思想を持たず、権力者の意のままに流される、まるで烏合の衆である。

ネット環境が進歩した今、何が正しいことなのか、情報を受け取る自分たちが取捨選択しなければならない。情報源が複数あることがせめてもの救いである。

このままの報道が続いていけば、先の大戦のような過ちを繰り返す可能性が高いとわたしは危惧する。

Yoshi001