大手ツアー会社のバス運転手が「スマートホン片手に」「ハンドルから手を放した状態」で高速道路を走っていたと動画付きで報道されている。渋滞情報を入手していたと言っているが、どうなのだろう。
今は手軽に動画が「撮れてしまう」ので、何かあるとすぐ話題になる。
報道されている動画を見ると、バスは三車線の最左側を走行している。撮影者は最右の追い越し車線。動画には青いクルマが中央車線から追い抜いてる(左側からの追い抜きは禁止のはずだが)。おそらく、このバス運転手の「悪行」を記録しようと速度を合わせていたのだろう。
この写真はわたしが撮ったものである。首都高速C1外回り、芝公園上空からのショット。
よく見ると、最前部右側から撮っていることがわかる。
つまり、運転中にシャッターを切っている。
当時はコンデジを片手で使っていた。
今だったら大変なことになって、それこそ動画を撮られて話題になっていたかもしれない。
スマートホンを凝視するのは間違いだろうが、少しだけ件の運転手の弁護をしたい。
ツアーの仕事をしていると、添乗員から到着時刻をきかれることが多い。
かなりタイトなスケジュールを組まれているので、運転手はそれに合わせようとする。特に連休中であれば、オンタイムでの到着は難しい。
昼食などの時間が決まっていて、そこへの到着時刻がずれると面倒なことになる。団体専用の施設であればいいが、一般客も受け入れているところだと、連休中は団体枠を減らしていたりする。予定通りに時間に入って食べ終わってくれないと他の団体にも支障を来す。添乗員はそれを防ぐためにドライバーに煩く尋ねる。
特に経験の浅い添乗員の場合は最悪である。運転手をバスの付属品としか思ってない人もいた。その上、運転手が慣れていなかったら、そのツアーは最悪なことになる。運転手のとっては、乗客も添乗員も「お客様」なのだから大変である。
今回はツアー会社から「乗務停止処分」になったらしい。運転手に危険なことをさせずに、渋滞情報くらい添乗員が見ればいい。ツアーを楽しくするには、運転手と添乗員がチームでなければならないのだから。
written by Yoshinobu Iriguchi