大きく報道されていないが、小学校一年生がバスに巻き込まれて亡くなった。当時、バスは回送中、わたしもかつて何度も走っていた場所である。
浅草寺で乗客を降ろすときは、二天門東側、東京都立産業貿易センター台東館前を使う。多くのバスが次から次へとやってくるので、その場に留まることはできない。事故を起こしたバスも今戸にある駐車場へ向かっていたと思われる。
駐車場までの道順はドライバー任せ、わたしは地方橋交差点まで直進して右折、東京都人権プラザ前交差点の右側にある台東区が運営する駐車場へ行くことが多かった。中には二天門前を右折し、馬道交差点を右折、言問橋西交差点を都道314号へと鈍角の左折する運転手もいる。この道を進むと一方通行になり、片側三車線の北向き一方通行。今戸二丁目を右折すると地方橋交差点からの道である。
報道では「片側三車線の道から右折する際に事故が発生した」とされている。今戸二丁目交差点で右折した先は大型バスが通るのは狭いと感じる道。右折するときに信号待ちの車両が停止線より前に止まっていると、とても曲がり辛い。事故を起こしたバスは、片側三車線の最右車線から右折したとは考え辛い。少し車線を跨いで右折したとすれば、車両の右側に隙間が出来、ここへ自転車が突っ込んだ可能性がある。
バスの運転席に座るとよく分かるのだが、ボンネットのまったくないこの乗り物は意外と死角が少ない。それ故、運転手の油断を招く。
今回の事故、一方通行道路からの右折。乗客を降ろし、気が抜けている。対向車がいないので、本来ならば後続車両や歩行者、自転車への注意を向けられるはずであるが。駐車場はすぐ先、そこへ行けばタバコも喫えるし、缶コーヒー片手にボーっとしていられる。
バスの右後方から近づく自転車。小学校低学年の乗る車両であれば、目立ち辛いかもしれない。
だから、余計に気遣うのがプロというものではないか?。
バスの運転席がトラックと異なるのは、ハンドルの中心が20センチほど内側についているということ。それに合わせてシート位置、運転手の視線も内側に入る。わたしは髪がサイドウィンドウのガラスにくっつくほど頭部を動かして見ていた。そうしないと怖くて右折できなかった。
起きてしまった事故はどうすることもできないが、このような悲しい事故が繰り返されないようにして欲しい。
大型二種免許を与えられたものは、普通の運転手ではないのだから。
written by Yoshinobu Iriguchi