電力会社から買う料金よりも、自宅の屋根にソーラーパネルを設置して自家発電した電力を買い取ってもらう方が高い。これを利用して「住宅ローンが賄える」などと声高に宣伝している住宅販売会社もある。どう考えてもおかしいとは思わないか?。

こんなことをしていたら破綻するのが目に見えてるのだが。実際、太陽光発電先進国のドイツではこのシステムが破綻寸前である。

ソーラーパネルを設置して「得した」一部の人たちのために、その他多くの消費者はその差額を転嫁される。

これがもしも、電力の購入金額と買い取り金額が同じであれば、よほど自然環境に敏感な、崇高な考えの人しか設置せず、ここまで太陽光発電が広まることはなかっただろう。家庭用であれば設置から10年は固定価格で買い取ってもらえる。日照が十分にあれば、その期間で設備代が賄えるとのうたい文句だった。

でも、儲けた人たちがウハウハしているとき、その儲け分を転嫁されたわたしたちは面白くない。

ならば、どうやってソーラーパネルを広めればよかったのか?。

それは、ズバリ、「設置を義務化」すればよい。

地域、家族構成、床面積、日照時間をもとに「発電量」を決定する。一戸建ての場合は屋根、もしくは庭に設置し、集合住宅、商業ビルは屋上、または壁面に設置する。これはすべての「新築物件」に適用する、と。

ソーラーパネルの耐用年数は約20年とされている、その間に「電気代を削減する」ことによって設備代はペイできる。20年も経てば技術進化によって高効率のソーラーパネルが開発されたり、水素電池などへの代替えも可能なはずである。

もっと問題が大きいのは「メガソーラー」、これは買い取り額の固定期間が20年と長い。産業ソーラーとして位置づけられているから仕方ないのかもしれないが。

メガソーラーを空き地に設置すれば、その下の地面は陽が当たらなくなり植物は育たなくなる。湿気の多い土地ではカビが大量発生する恐れもある。これは生態系の破壊につながる。欲の皮の突っ張った事業者が競ってメガソーラーを設置している、彼らは環境のことなどまったく考えていない。ただ儲かればそれでいいのである。

今までの愚策を方針転換するのは簡単ではないかもしれない。でも、今、思い切った施策を打ち出さなければ、太陽光をはじめ「再生可能エネルギー」の将来は暗いものになるのではないだろうか。

written by Yoshinobu Iriguchi